探偵業法
第九条 探偵業務の実施に関する規制
探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。
2 探偵業者は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならない。
解説
1 第1項関係
「探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法行為のために用いられることを知ったとき」とは、その従業者の報告等を通じて知った場合も含まれる。
また、調査の結果が違法な行為のために用いられることを確定的に認識した場合のほか、そのような可能性があることを認識し、そのように用いられても構わないと容認することも「知ったとき」に該当する。
例えば「家出した配偶者の所在」、 の調査依頼を受けた場合において、調査の過程で、依頼者が、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律第10条第1項に基づく保護命令を受けている可能性があることが判明したときには、保護命令違反のために用いられるものでないことが明らかにならない限り、探偵業務を行ってはならない。
2 第2項関係
法第9条第2項により禁止されるのは、「探偵業務」の全部又は一部を「探偵業者」以外の者に「委託」することである。
すなわち、例えば、探偵業者が聞込みを行う過程で第三者に単に情報提供を依頼すること、調査の過程で取得した写真の現像を第三者に依頼すること等は、「探偵
業務」の委託ではないから、法第9条第2項の違反ではない。
また、探偵業務を委託すること自体は禁止されていないが、委託先は、「法第4条第1項の届出をして探偵業を営む者」に限られるので、個人の事業者を含め、無届で探偵業を営む者に探偵業務を委託することは、法第9条第2項違反となる。なお、臨時に雇用した者を含め、探偵業者の従業者に探偵業務を行わせることは、「委託」ではないから、法第9条第2項に違反するものではない。
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