バラバラ殺人W不倫で離婚話探偵会社に浮気探偵依頼
東京都渋谷区の外資系金融会社社員Mさん(30)がバラバラ遺体で見つかった事件で、妻のS容疑者(32)=死体遺棄容疑で逮捕=とMさんにはそれぞれ交際相手がおり、事件直前、離婚話が持ち上がっていたことが12日、警視庁新宿署捜査本部の調べで分かった。S容疑者が「いろいろあったが、夫から真の謝罪がなかった」などと供述していることも判明。捜査本部は事件の背景に、破たんした夫婦関係があったとみている。S容疑者はこの日、送検された。 捜査本部の調べやMさんの友人ら関係者によると、2人は合コンで知り合い、すぐにMさんがS容疑者宅に入り込み同棲。北九州市に住むMさんの母親に反対されながらも03年3月に結婚した。そんな愛も、間もなく冷めたようだOS容疑者は「結婚半年後には口論をするようになった」「家庭内暴力を受けていた」と供述。Mさんは信用探偵会社に浮気探偵を依頼していたといい、暴力には同容疑者の男性問題もあったとみられる。S容疑者は05年6月、鼻骨を骨折するなどして、東京都目黒区内の病院で受診していたことも判明。 病院から「不自然なケガをしている」と通報があり、警察官が駆け付けた。携帯電話のメールで、同容疑者がスポーツジムで仲良くなった男がいることを知ったMさんが、カッとなって殴打したとされる。この際、S容疑者は「夫婦のことなので(被害届などは)結構です」と話す一方、「主人のいる家には帰れない。泊まれる所を紹介してほしい」と明かし、家庭内暴力の相談施設の紹介を受けていた。
Mさんが「やり直したい」として、同年7月に現在のマンションに転居。普通の夫婦生活に戻ったと思ったが、昨年12月に入ってすぐにMさんが知り合いの食事会で、ある女性と再会。食事に行く仲になったことが発覚。常々、Mさんの浮気を疑っていたS容疑者の愛情が憎しみに変わったのでは、とみる関係者もいる。
同容疑者は、調べに「けんかだけではなく、いろいろありました。夫には一度として真に”悪かった”という謝罪の気持ちがなかった」と供述。頭部の司法解剖によると、死因は頭蓋げがい)骨骨折による脳挫傷の疑い。後頭部の中央付近が粉砕骨折していたほか、前頭部に骨折があり、全体に数力所の傷もあった。